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「誰がために壁はある」終演に寄せて

こんばんは。曲がり角ランデブーの真柄です。

 

もう先週のことでだいぶ遅くなりましたが、
曲がり角ランデブー第1回オムニバス公演
「誰がために壁はある」
無事に全公演を終了することができました!

 

5月19日(金)から21日(日)までの3日間、
全6回の公演で208名のお客様にご来場いただきました。
この場を借りて御礼申し上げます。
ご来場いただき、誠にありがとうございました!


本当に終わるのかなと思っていましたが、
当然ながら終わりました。
初めての単独公演ということで、
色々なことを兼務しつつ、
暗中模索しながら何とか前に進めたという形でした。

台本も初稽古の時に完成したものがありながら、
その後に書き直し、書き直しを経て稽古。

特に稽古は、俳優皆さんの力を借りるだけ借りて
何とか形にすることができました。
本当に苦労ばかりかけてしまい、
とにかく少しでも良いものを
舞台に上げることだけ考えていました。

賛否問わず、様々なご意見、ご感想もいただきました。
これからもしやり続けていくなら、
参考になるものばかりでした。
アンケートにお答えいただいたお客様、
SNSに感想を投稿していただいたお客様、
また気にかけていただいた皆様も
ありがとうございました!

【作品について】

公演のテーマである「壁」は
かの米の国のT大統領の選挙中の発言に
インスパイアされたものです。

 

「隣国との間に壁を建てて、その費用を相手に払わせろ」

 

元々隣国からの不法移民が多く、
最近では映画等でもよく取り扱われるほど社会問題となっています。
他方では人種のるつぼと言われる米の国、
移民で成り立っている部分もあり、そう単純な話でもないため、
今まで「壁を築く」というところまではいってませんでした。

 

彼が率直に口に出したことで、何かが変わったなという印象がありました。

「分断の時代」とか言われていますが、
そんなことは少し前からも言われていました。

何より印象的だったのは「わかりやすい言葉」でした。
不法移民、引いては外敵から自分たちを守るという目的をかなえるため、
短くわかりやすい言葉で表現する。

わかりやすさ、というのが人を引きつけるのだろうけど、
その危うさを感じるところもあり、
わかりやすいことに対する何かの違和感がずっと残っていました。

 

そして
過去にあった「ベルリンの壁」、
現在もあるイスラエルとパレスチナの「分離壁」、
壁はないけれど韓国と北朝鮮の「北緯38度線」など
何かによって隔てられているものは常にどこかにある。

この日本に住む自分たちが実感を持つとするなら、
壁が出来た世界での話作ろうと。

 

ただ政治的すぎる話はあまりやりたくなかったので、
それを背景にした話を書こうと思っていました。

 

 
①『めごとの天使たちは』

 

この作品はこの本に大きな影響を受けました。

「ちろりん村顛末記」広岡敬一/著(ちくま文庫)
https://goo.gl/HcjcmY

 

1970年代、琵琶湖畔の雄琴地区にできた風俗街を追ったルポで
これを元に書き上げました。

 

れいかさんは、待つ女でした。
全てを受け入れてくれるような存在。
「置かれた場所で咲きなさい」なんて本があったのも記憶してますが、
「めごと」という場所で自分の生き方を見つけて自立して咲く花のイメージ。
その一方では、その場所に根ざしているため、
新しいところへ出て行くことが難しいジレンマも抱えている役でもありました。

 

すみれさんは、出ていく女でした。
れいかさんとは対照的に、
恵まれた環境(父親の経営する店で体を売らずにいられる)にも関わらず、
愛する人と一緒になるために今いる場所から出て行こうとする。
自分の意志を貫く役でした。


すみれさんが劇中で言っていた
「人は死んだら星になる」というのは
某劇団さんの短編作品へのオマージュでした。
あまり書いてしまうのも野暮なので
どうしても知りたい方は個別にこっそりご連絡ください(笑)

 


②『誰がために壁はある』

 

この作品を書くための根本になったのは、
『ゴドーを待ちながら』でした。
実際に劇を観た事はないのですが、
作品のイメージの出発点となっていました。

 

あと参考となったのは、
映画「善き人のためのソナタ」。
https://goo.gl/oO8HMd

冷戦時の東ドイツの話で、
この映画はとても良い作品なので
是非とも観ていただければなと思います。

 

男1という役は先の映画では主人公のヴィースラー大尉、
あとは劇中の台詞で少しだけ出てくる
18世紀のフランスで死刑執行人をやっていた
シャルル・アンリ・サンソン、
(この本が詳しいです→https://goo.gl/g3wolH
などをモチーフにしていたりします。

道化回し的な性質や「壁を壊す男」でもあるので、
冒頭で「第四の壁」を破って
お客様へ直接語りかけるようなこともしてました。

 

男2は、「壁を越える男」。
「ロミオとジュリエット」のロミオでもあり、
先の映画で言うならヴィースラー大尉に影響を与えた
劇作家のドライマンの性質もあります。
彼の名前は「歩」と言います。
そうです、次の『惑い人は還る』のミチの父親でした。


またこの作品への影響が大きいのは楽曲もそうでした。
作品のOPにかかるのは、Crosby, Stills & Nash の「Chippin' Away」
この曲は実際にベルリンの壁が崩壊した時に
グループのメンバーが集って作曲された曲です。
Youtubeでも聴けますが、実際に発売された8cmのCDは
今ではかなりレアになっています(うちにあります)
https://www.youtube.com/watch?v=c7WAxE8dzQ4

 

 

 


③『惑い人は還る』

 

この作品は3つの中で
一番初めに書き上げた作品でした。
「壁」という公演のテーマを
考えていた頃だったと記憶しています。


この作品の舞台は壁が壊されてなくなった時代の話ですが、
「見えない壁」→この作品で言うところの
地球と遠く離れた宇宙という想像を超えた距離の壁を想起していました。

 

参考としたのは、
映画「インターステラー」
https://goo.gl/9EhqE2

父と娘の話は同じですが、立場を逆転させました。
新しい世代、未来を担う若いミチには
広い宇宙へ飛び出して行ってほしいなと。

 

この映画に度々出てくる
ディラン・トマスの詩もこの公演全体を
支えるものになりました。

 

◇穏やかな夜に身を任せるな
 Do not go gentle into that good night,

◇老いても怒りを燃やせ 終わりゆく日に
 Old age should burn and rave at close of day;

◇怒れ 消えゆく光に抗って怒れ
 Rage, rage against the dying of the light.

 

最初の一節は
『めごとの天使たちは』ですみれに対してれいかが贈る言葉として。

二つ目は、
『誰がために壁はある』で葛藤してきた男1の気持ちを代弁する言葉として。

三つ目は、
暗い宇宙に一人でいるミチを奮い立たせようとした歩の言葉、
最後の「エンドロール」でれいかが男1への長年の想いを綴った言葉として。

 

ミチは、見えない壁の先へ「道」を作って進んでいける
可能性を持った存在でした。
モチーフは「インターステラー」に出てくるマーフィー以外には
伊坂幸太郎の「フィッシュストーリー」で小惑星の衝突から
地球を救う麻美というのも書いている段階でありました。


歩は、壁を越えた経験があったりと
困難な「道」を「歩」んできた存在でした。
最初は度重なる困難から少々やさぐれていますが、
ミチとの交信を経て再び困難な「道」を「歩」んでいけるのではないか。


アスミというヒューマノイドは
亡くなってしまったすみれさんの意思というか
意識を持った存在でした。
「アスミ」という名前も感じにするとしたら「明日見」であり、
歩とミチを支える存在になっていました。
「インターステラー」でも見た目はただの箱ですが、
ユーモアも持って宇宙船のクルーと関わる二体のAIが出てきますが、
そういった別の存在がそばにいるだけでも
宇宙だけでなく地球での孤独も癒してくれるのではないか。
そんな未来を思ったりもして書いていました。

 

 

 


【キャスト・スタッフについて】

 

<杏奈さん(ミチ役)>

世界観も捉えづらい『惑い人は還る』において
ちょうど設定としても同じ世代のミチという難しい役を
試行錯誤して悩み考えながら、ちゃんと自分のものにしてくれました。
何かを捉えた瞬間とか、稽古で見ていて
感性が素晴らしいなと思いました。


<久保瑠衣香さん(れいか役)>

とにかく美しく、ただ実際のご本人はとても親しみやすく、
れいかという3つの作品を通して関わる役について
色んな意見を出してもらいながら、作っていくその皮膚感覚が良いなぁと。
オープニングの振り付けも、ダンスの経験があるということで、
無理を言って素敵な振りを作っていただきました。
何より稽古への取り組む姿勢が非常に真面目で毎度頭が下がりました。


<佐藤勇輝くん(男2役)>

座組でのムードメーカーでもあり、
彼が所属する劇団がやっている公演(主にコメディ)とは
全く性格の異なる役柄に真摯に取り組んでくれました。
相手役の古市さんと稽古時間内外で、役や作品を突き詰めてもらい、
どんなタイミングでも気になったことをちゃんと伝えてくれて
自分の中での疑問を残さずにいようとする姿勢、
どんな相手でも対応できる力はこれからが楽しみだなと。


<高橋紗綾さん(アスミ役)>

今回の座組で唯一、ご一緒した経験がありました。
公演全体において色んな面でサポートしてもらいつつ、
早いうちから自分の役をものにして、
それを自然に引き出しつつ、広げていくのは
巧いなぁと毎度尊敬と感心が尽きません。
普通なら笑いが取りづらいところも、
ユーモラスに仕上げてくれるのはありがたかったです。


<高橋真純さん(すみれ役)>

今回作品を創る上で、一番喧々諤々とやり取りを交わしました(笑)
思ったこと感じたこと、率直な意見をたくさん出してくれて
実姉の紗綾さんとはまた異なるところで
台本や役を理解しながら深めて、突き詰めて取り組むところは
当たり前かもしれませんが、とても凄いと思いました。
それほどの試行錯誤をして出来た役であるが故に、
壁を越えていくパワーを秘めた魅力のあるすみれさんになってくれました。


<古市裕貴さん(男1役)>

今回初めましてで最も勉強させてもらいました。
強い芯はあるけれど、とても柔軟であり、
大人の男の色気もあり、若者のようなチャーミングさもあり、懐も広い。
その上、皆にフランクに接していただいたりと
その魅力の底が見えないのが恐ろしいです(褒め言葉です)
男1という役の深みは古市さんであってこそだと思います。

 

<真野マモルくん(歩 役)>

クールなようでとても実直で、自分のことを理解しつつ、
野心に溢れているなと思っていました。
思ったことをたくさん意見として言ってもらったり、
積極的に稽古に参加してもらって非常に助かりました。
実年齢からだいぶ離れた父親の役ということでしたが、
変に意識し過ぎずに自然な形で取り組んでいただいて
違和感が少なくミチを見守る歩になっていたと思いました。


<ドリルさん(音響)>

急遽でお願いしたにも関わらず、
色々と音の側からアドバイスもいただき、
音によって作品の深みとか魅力が増したなと思いました。
ご本人の自由闊達なところと
作品に対する細やかな視点には
とても助けられました。

 

<渡辺隆行さん(照明)>

急遽での依頼でしたが、
限られた空間と設備の中で
あれだけの明かりと色の変化をつけていただきました。
稽古などを重ねる度にその時々に応じた提案で
細かな変化や微修正を行ってもらい、
作品に彩りをつけていただきました。


<立川周さん(小道具協力)>

『誰がために壁はある』で男1が持っていたハンマーを
作っていただきました。
忙しい中で稽古場にも何度か足を運んでいただき、
作品の感想も頂戴してとても助かりました。


<te to haさん(宣伝美術)>

二人でイラストやデザインを作成するユニットさんで、
チラシのデザインを作っていただきました。
シンプルに白黒で・・・、こういうイメージが・・・等など
考えられるリクエストを投げるだけ投げて上手く叶えてもらって
想像の遥か上をいくクオリティのチラシを作っていただきました。

 

 


すっごく長くなりましたが、
一緒に創って支えてくれた皆さん、
作品を見届けていただいたお客様へ
今一度の感謝をお伝えしていきます!

自分が思った以上にポンコツでしたが、
それでも何事もなく最後までやりきれたことは
一つ財産になりました!

 

今後は全く分かりません。
もうこれ以上のものができる確証もありません。
あーどうなんですかね。
何かどこからか漏れ伝わってくる話だと

次をやらないとまた怒られるみたいです(笑)
少数ですが、次をご期待もいただけているようでもあり…

 

もしまたお会いできることがありましたら、
その際はもう少し、もう少しだけ
今よりさらに面白くなって、
参加しているキャスト・スタッフが魅力的になり、
観たお客様に満足していただける作品が
届けられたらなと思います。

 

その時が来るまで、一旦は、さようなら!

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